
今回は、ハードフォークについてまとめてみました!
ハードフォークに関しては結構聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
現に、有名なビットコインはビットコインキャッシュなどに、イーサリアムはイーサリアムクラシックをハードフォークを起こして誕生したりと結構身近な存在ではあります。
なにかしらの暗号通貨を持っていたら、いずれもしかしたら自分の保有している通貨もハードフォーク・ソフトフォークを起こすかもしれません。
きちんと知識を深めておきましょう!
予備知識:ブロックチェーンのしくみ

ブロックチェーンの仕組みはわかるよーという方は、ここを飛ばして次からお読みくださいね(*’ω’*)
ブロックチェーンとは、ビットコインなどほとんどの暗号通貨の土台となっている技術であり、分散型取引台帳と呼ばれるものの一つです。
簡単に説明すると、例えば「5BTCを私から渡辺さんに送りました」とかいう取引だったりの情報をいくつかまとめたものをブロックと呼び、ブロックをどんどんつなぎ合わせていったもの、つまり鎖のように繋いでいって台帳にするのでブロックチェーンと呼ばれているんですね。
ブロックチェーンは「誰でも見ることができる台帳」であり、過去の取引全てを誰でも確認することができます。つまり銀行などに権力が集中しているような中央集権に対し、ブロックチェーンはどこにも権力が集中していない「非中央集権型」であるため中央管理者が存在しません。
ハードフォークとは

ハードフォークの仕組み
本題に入っていきますね(*’ω’*)
そもそもハードフォークというのは、暗号通貨におけるアップデートの一種です。
そして、フォークとは「分岐」を意味し、スプーンフォークのフォークをイメージするとわかりやすいかと思います。フォークって、先が分岐してますよね。
そのフォークがハードかソフトか、つまり完全にフォークしてしまうか軽くフォークするだけかの違いがソフトフォーク・ハードフォークとわかれていると解釈していただいて差し支えありません。
そしてハードフォークは、上述したように完全に分岐、つまり該当の通貨が完全に分岐を行なって旧仕様の通貨とは別に新仕様の通貨が誕生します。
事実上その時点で互換性もなくなるため、旧仕様・新仕様の2種類の通貨が誕生し別々に存続していきます。
図が表すように旧仕様のブロックチェーンと新仕様のブロックチェーンに分岐するとお伝えしましたが、その後新しいブロックチェーンのみが使われていく場合もあれば従来のもの・新しいもの両方とも使われる場合があります。
ちなみに、先ほど少し触れましたがハードフォークとは別にソフトフォークなるものも存在します。
ハードフォークを行う理由

スケーラビリティ問題の解消やバージョンアップ・ビットコイン
ハードフォークをする理由としていくつかありますが、主にはスケーラビリティ問題を解消するためのバージョンアップのためと言えます。
スケーラビリティ問題について簡単に説明すると、ブロックチェーンを構成している一つ一つのブロックの「容量」が制限されていることに原因があります。
一つのブロックに収納可能なトランザクション(=取引情報と思っていただければわかりやすいです)の数が決められており、その結果取引が多くなればなるほど処理が遅れてしまうといった問題が生じます。
私たちのスマートフォンにも容量があり、とめどなく使っているともちろんその分重くなっていきますよね。ああいったイメージです。
めちゃ個人的な話ですけど、昔使っていたスマホで3ヶ月持たずに激重になって使いものにならなくなった事があります笑
そういったスケーラビリティ問題を、ハードフォークを行いひとつひとつのブロックのサイズ自体を大きくして問題を解消しようとしました。
しかし、そうしてしまうとかなり大きいサイズのブロックがゆえにスペックの大きいコンピューターでないとマイニングが難しく、大資本を持っている企業などでないとマイニングができないとなってしまうと中央集権的になってしまうので、ブロックチェーンの特徴、ビットコインネットワークの崩壊の危機にもなりかねません。
そうして生まれたのが、ビットコインキャッシュやビットコインゴールドなどの通貨です。
2017年8月にビットコインが初めに起こしたハードフォークがビットコインキャッシュなのですが、従来のビットコインにおいてブロックの容量が1MBだったのに対し、ビットコインキャッシュが誕生してブロックの容量が8MBまで収容することが可能になり、実用性が高くなった事例があります。
バグによるハッキングを無効化・イーサリアム

イーサリアムから分裂して誕生したイーサリアムクラシックという通貨が存在します。
The DAO事件という、イーサリアムのバグを突かれ不正送金が発生し巨額の資金が第三者に盗まれてしまうという事件がきっかけなのですが、その際の運営の対応にて不正が発生する前の状態に戻すためにハードフォークを行うといった流れになりました。
ただ、元の状態に戻すのはいいものの対応としてはどうしても中央集権的だとの声がコミュニティ内にてあがり、ハードフォークを拒否する人も出てきました。
そういった流れで誕生したのがイーサリアムクラシックです。
このように第三者に盗まれてしまったもののハードフォークを行い無事にイーサリアムは助かったのですが、イーサリアム自体に欠陥があった訳ではありません。
その他に発生したハードフォーク事例
そして、イーサリアムのようにバグを突かれて第三者に盗まれなくとも、ブログラムにバグが見つかってソフトフォークでは手に負えず、やむなくハードフォークを行う場合もあります。
ハードフォークを行うことによって、イーサリアムの場合と同じくバグを修復した場合のプログラムにアップデートを行い、何か起こってしまう前に事前に防ぐ役割を果たします。
またバグとは反対に、ソフトフォーク同様なのですが新たな機能を導入させて通貨をグレードアップさせるためにハードフォークを行う場合もあります。
ハードフォークのメリット・デメリット
ハードフォークにおけるメリット
メリットとしては主に以下のようなものがあります。
- ブロックチェーンにおける問題の解消
- 分裂後、通貨の価格が高騰しやすい
- 新しい通貨がもらえる可能性がある
まず、これまでにも解説した通り、ブロックチェーンにおける問題の解消のためにハードフォークを行うことがあります。
ハードフォークを行う=その通貨にとってかなり大きな動きというのはもうみなさんお分りになられたかと思うのですが、ソフトフォークで済むのであればできる限りそうしたいのが開発側の思いでもあります。
しかし、ハードフォークを必要とする問題というのはそれほど重大な問題ということでもあるので、解消・改善された時にはより良い通貨が誕生するメリットの方が大きいですよね。
また、分裂後の通貨の価値があがる点も上述した通りより良い通貨が誕生するのも一因ですが、分裂直後の通貨は取引量が増加傾向にあります。
そして、分裂する前の取引所にて分裂後の通貨も取り扱われることが多いため、自然と価値が上がっていくことが多いです。
最後に、ハードフォークが予定されている該当の通貨をそのまま取引所に預けていると、分裂後の新しい通貨が配布される場合もあります!
無料でもらえるのはただただありがたいですよね(´∀`)
ハードフォークにおけるデメリット・リスク
上記に対して、デメリット・リスクも生じます。
- ハッシュパワーにより、通貨が紛失する可能性がある
- 取引所が停止する
- 該当通貨の信用の低下
まず、通貨が紛失って何事なのかと思うかもしれませんね笑
ハードフォーク自体が互換性のない性質を持っているためにバグが発生する可能性もあり、バグが発生している際に取引を行うと紛失する場合があるということです。
自分ではもちろんバグが起こっているなどわからないですし予防のしようがないものでもありますが、ハードフォーク直後などすぐすぐに取引を行わないようにしましょう。
また、ハッシュパワーという マイニングを行う場合に必要になる処理能力を表すものがあるのですが、ハッシュパワーの数値があがる=演算量が増えることを意味します。
演算量が増えるとそれだけその通貨が人気になっている状態、逆にハッシュパワーがさがる=演算量が下がるとだんだん不人気になってきている状態を表しています。
そして、ハードフォークによって分裂するとハッシュパワーも同じように分散するので、どちらかに偏ってしまうと最悪の場合にどちらかが消滅してしまう事態になってしまう可能性があります。
次に取引所の停止についてですが、この間の5/16にもビットコインキャッシュのハードフォークに伴ってbitflyerなどの取引所がサービスを停止したことが記憶に新しいですが、まさにあの件です。
送金はもちろん換金もできない上に、バグが発見されると再度取引所が停止してしまうこともあります。
そもそもなのですがハードフォーク自体、問題解消のためならもちろんすべきかと思いますが、なんでもかんでもハードフォークを行うことはもちろんよくありません。
何度もハードフォークを行い、新しい通貨を作り続けるといったことはできても、ハードフォークを行なってどんな変更もしてしまえばその分その通貨の信用が落ちてしまうのは言わずもがなですよね。
ビットコインの持ち味・特徴がどんどん変わってしまうとそれはもはやビットコインではありませんよね笑
ハードフォークにおいて気をつけておきたい事

先ほどデメリットやリスクについてまとめましたが、その上で気をつけておくべき事をまとめてみました(´-`).。oO
まずは、相場の変動です。
ビットコインもハードフォークが行われる前に、円やドルなどの法定通貨にいったん戻す人が続出して価格が大きく変動しました。
それはもう仕方ないことだとは思いますが、前後でかなりの変動が起こった際にはしっかりと情報収集を行なった上で、変に惑わされないようにしておきましょう◎
また、デメリットでもお伝えしたようにハードフォーク時にはバグなどを考慮して取引所が停止してしまいます。
もちろん事前にきちんと周知された上で行われるので突然停止するわけではないですが、入出金や送金が必要な際にはハードフォークとかぶらないうちにしておいた方が身のためです。
自分の保有している通貨は他人・取引所任せにはせずに自分がしっかりと守っていき、ハードフォークといい関係を築いていきましょう。