
今回は、ビットコインが抱えている問題のひとつ・スケーラビリティ問題についてわかりやすく解説してみました!
ビットコインの大元になっているブロックチェーン技術に関する問題で、今後将来にかなり大きく関わってきます。
どのような問題なのでしょうか?詳しくみていきましょう!
スケーラビリティの本題に入る前に
ブロックチェーンについて

本題に入る前に知っておかなければいけない予備知識・ブロックチェーンについてお伝えします!
ブロックチェーンとは、ビットコインなどほとんどの暗号通貨の土台となっている技術であり、分散型取引台帳と呼ばれるものの一つです。
簡単に説明すると、例えば「ビットコインを私から渡辺さんに送りました」とかいう情報をいくつかまとめたものをブロックと呼び、ブロックをどんどんつなぎ合わせていったもの、つまり鎖のように繋いでいって台帳にするのでブロックチェーンと呼ばれているんですね。
ブロックチェーンは「誰でも見ることができる台帳」であり、過去の取引全てを誰でも確認することはできます。つまり非中央集権型であるため中央管理者が存在しません。
だからと言って、誰でも台帳を確認できるから改ざんもできると言った訳ではなく、マイニングと呼ばれる膨大な演算を必要とする技術があるため、ブロックチェーンに繋げられた取引は必ず正しいと言えます。
ブロックチェーン・マイニング(ビットコインのマイニング方法、つまりコンセンサスアルゴリズムと呼ばれるものはPoWという仕組みをとっています)
スケーラビリティ問題

本題に入っていきますね。
ビットコインのブロックチェーンにおけるブロック生成時間は現段階で約10分かかります。
また、1日かけて処理できる取引は数字にして約6万5000件前後でないと対応が難しいとされています。
ぱっと見ですら理解できると思いますが、大手のクレジットカード取引量と比較するとビットコインの取引の処理数は1/20以下と言われていますし、誰が見てもこの数字は圧倒的に少ないですよね。
その上クレジットカードを上回る世界的普及を目指しているからこそ改善すべき問題です。
ビットコインが出始め当初から将来的に見た時に大きな課題となることは懸念されていましたが、これからビットコインが日常的に使用されるようになるとこのスケーラビリティ問題はさらに深刻化します。
そもそもなぜこのような問題が起きるのかという部分ですが、ブロックチェーンを構成している一つ一つのブロックの「容量」が制限されていることに原因があります。
一つのブロックに収納可能なトランザクション(=取引情報と思っていただければわかりやすいです)の数が決められており、その結果取引が多くなればなるほど処理が遅れてしまうといった問題が生じます。
ちなみに、ビットコインにおけるブロックサイズは1MBと素人でもイメージがつく容量の小ささですね。。
スケーラビリティ問題によって、ビットコイン等の通貨の送金の速さ・手数料の安さなどといったメリットが損なわれてしまい、暗号通貨界隈の今後に大きく影響を及ぼしてしまいます。
また、通貨自体の価値にも影響を及ぼすため、この問題を解消するだけでかなりの価格上昇が見込めます。
スケーラビリティ問題の解決策

ブロック自体のサイズが小さいのなら単純に大きくすればいいのではないか、という訳にはいかないのが現実です。
ビットコインの性質としてブロックがチェーン状に連なっていることにより安全性を担保し、全員がブロックチェーン、つまり台帳をみることができ全員が全て監視できました。
仕組みとして、ネットワーク参加者一人一人をさす「ノード」が、全てのブロックを 使っているコンピューター等に入れると確認・監視することが可能になります。
ブロックのサイズを大きくすることによって、そのブロックに繋がれた別のブロック内の数値も変更しなくてはいけなくなり、ビットコインネットワークの崩壊の危機にもなりかねません。
その上、ブロックをコンピューターに入れるということは、その一つ一つのブロックの容量を大きくしてしまうと大きくした分全て保存する必要が出てくるので、そうなってしまうとかなり膨大なブロック量を保存することが可能なコンピューターを所持する必要がでてきます。
また、膨大な情報を保存できるだけのコンピューターなんて大資本を持っていないと現実的に難しいは前提事項なので、ビットコインのマイニングの特徴でもある誰でも参加できるといった意味がなくなってしまいます。
また、大資本を持っている企業などでないとマイニングができないとなってしまうと中央集権的になってしまうので、ブロックチェーンの特徴がなくなってしまいます。
そこで生み出された解決策をここでは数個紹介させていただきます!
Segwit
こちらは、一つ一つのブロックのデータを圧縮してしまおうといった仕組みです。
スケーラビリティ問題解決法の中では一番メジャーかもしれません。
データを圧縮することによって大資本をもってなくともブロックを生成できるようになりますし、処理スピードも少なからず改善されると見られています。
ライトニング・ネットワーク

ライトニングネットワークとは、ブロックチェーンの外で取引を行うことができる仕組みです。
細かくみていくと、マイクロペイメントチャネル(=少額決済経路)を複数人に拡張させたものをさします。
AさんからDさんに送金したいけどマイクロペイメントチャネルで繋がっていなく、けどAさんはBさんと、BさんはCさんと、CさんはDさんと繋がっていると仮定したときにこの回り回っての繋がりをライトニングネットワークと言います。
こういった繋がり・ライトニングネットワークを伝って送金を行うと、ブロックチェーン状に書き込んでいく取引量が自然と少なくなっていくので送金が早く、手数量も安く済むといったメリットがあります。
これらは、ブロックチェーンの外=オフチェーンで取引履歴を一旦まとめ、最終的に出された取引の記録だけをブロックチェーンに書き込むことで実現します。
なので、一時的にはブロックチェーンと別のチャネルを作り、そこで送金を行うんですね。
問題を解消する上での問題点
スケーラビリティの問題を解消すべく取り組んでいたところ、解消しようとすることによってさらに問題が生じました。
マイナーの主張・ユーザーの主張
マイナーというのはブロック生成、つまりマイニングを行う人のことをさします。
ASIC Boostというブロック生成のための演算速度をあげる機械が存在するのですが、Segwitを導入した場合にこの機械が使用不可能になるかもしれないという問題が生じました。
このASIC Boostは大手のマイナー企業がよく使用しているためSegwitの導入を反対するのは当たり前ですよね。
もちろん大資本を抱えているので、単純にブロックのサイズをあげたところで問題ないのです。
しかし、お伝えしている通りブロックのサイズをあげてしまうと中央集権的になってしまうため開発者、一般ユーザーは反対しました。
Segwitを導入すると、ビットコインが採用しているマイニング方法・PoWコンセプトである「誰でもが参加可能」であることが守られますが、大手マイナーにとっては上述の通り不利になってしまうために対立してしまいます。
はな個人的には、中央集権的になってしまってはブロックチェーンの特徴全否定してしまうようなものになってしまうと感じたので、そこだけは避けていただきたい想いがありますね。
まとめ

現段階では解決法はいくつかあるものの、未だに完全解消には至っていません。
マイニングを行わない人にとってはあまり身近に感じないかもしれませんが、将来的には(現段階でも問題にはなっていますが)利便性を売りにしているはずのビットコインにも関わらずかけ離れたものになってしまう恐れがあります。なにより流動性が低下してしまう可能性もあります。
スケーラビリティ問題を解消することによって今後かなりの価値の高騰も十分可能かと思いますし、なによりビットコイン始め暗号通貨決済の世界的普及にかなりの追い風を送ってくれるはずなので、今後の開発に期待ですね。
簡単な説明になりましたが、おわかりいただけると嬉しいです!